Caroline | Caroline
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いやいや、ぜんぜん正確ではない。1曲目の“Dark Blue”には、少しそんな感覚がある。憂いを帯びた静かな反復がゆっくりと上昇する感覚——、陳腐な表現になってしまうが、キャロラインはその旋回する曇った音響において、わずかながらも、しかし確実に青空を見せる。とびきり透き通った広い空を。キャロラインには〝図書館の屋上でスカイダイビング(Skydiving onto the library roof)〟という、身動きできないほど聴き入ってしまう曲がある。
2017年に始動したというロンドンのミステリアスなこのバンドは、やがて8人編成となり、今日言われているどんな「インディ」たちとも違っている。ここで彼らの音楽性を分析したところで、彼らの音楽を説明したことにはならないだろう。ギター、ドラム、ベース、ヴァイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノ……フリーキーでありながらそれぞれの楽器の音は有機的に共鳴し合い、曲はひとつの生き物のように呼吸している。